Vol.15
3分間のしあわせの魔法をかけよう
櫻井直子さん
日本紅茶協会認定マスターティーインストラクター(4期)
紅茶教室講師、飲料会社勤務を経て、現在は日本紅茶協会ティーアドバイザー研修『茶の流通』の講師を担当。また、ユニバーサルに紅茶を楽しめるゴールデンルールを超えるダイアモンドルール(仮)を研究中。
Q.ティーインストラクターを目指したきっかけは?
5,6才の時のクリスマスにおもちゃのティーセットをもらったことがきっかけで、紅茶を楽しむことに興味を持ちました。自分なりに工夫して紅茶を楽しんでいましたが、もっとおいしくできるのでは?とずっと思っていました。ある時、妹から日本紅茶協会の「ティーインストラクター養成研修」があるという情報を得ました。そこに行けば、きっと紅茶をもっとおいしくいれられる秘法を学べるに違いないと、ティーインストラクターを目指しました。
Q.マスターティーインストラクターを目指したきっかけは?
山があれば登り、橋があれば渡る。加えて締め切りがあれば守る性質なので受験しようと思いました。
とにかく、紅茶が大好きなので、大好きなことについて、もっと知りたいと、いろいろ知識は深めることはしていましたが、勉強したことをきちんとまとめるには、マスターティーインストラクター試験というハードルと締め切りを設けたほうがよいであろうと考えて挑戦しました。
Q.紅茶の魅力やご自身の紅茶に対する思いをお聞かせください。
紅茶は日常的な飲み物でありながら、特別な時間も演出できるところが好きです。
また、紅茶ならではの風味はきちんと印象づけながら、お菓子などの味を引き立てるところは、なんて性格がいいんだと感心します。紅茶のような人になりたいものです。
紅茶のすごさは、世界中のいろいろな人に、平等に心安らぐひとときを提供しているところです。私は、チャノキの生えない、世界で2番目に水の少ないアラブのある国に3年住んでいましたが、王族の宮殿から一般家庭、工事現場、砂漠、難民キャンプでも紅茶は日常の飲み物でした。それぞれの場所での紅茶のもてなしを経験しましたが、どこで頂いても変わりなくおいしく、ホスピタリティーを感じました。
多くの人が楽しめるという点も紅茶の魅力だと思います。最近の私の紅茶のテーマは「みんな」で、より多くの方と紅茶の楽しみを分かちあいたく、視覚に障害のある方との紅茶を楽しむ会を企画しています。
Q.ティーインストラクター取得から、マスターになられるまでに、どのように紅茶を学ばれてきましたか?
紅茶にちょっとでもつながることは、小さなことでも興味をもって本を読んだり、調べたりしていました。植物、風俗習慣、文学など片っ端から楽しく探求しました。マスター試験を受験するにあたっては、そのようにして集めた断片的な知識のなかから、特に興味をもったインドでの紅茶の普及をテーマにしました。試験というハードルと期限がなければ、あそこまでは調べられなかったと思います。
Q.皆さんへ伝えたいことがありましたら、ご自由にご記入ください。
シニア・マスター試験を受験することは、すなわち、勉強することになります。その過程はとても有意義でした。知らなかったことを知り、新たな知識と過去の知識がつながって、次のステージが見えてきます。宝探しをしているような楽しさがありました。是非トライしてください。
Q.これからティーインストラクターを目指す方やシニアティーインストラクター・マスターティーインストラクターを目指す後輩たちへメッセージをお願いいたします
一杯の紅茶は毎日を楽しくしてくれます。
誰かのため、自分のために紅茶をいれるという行動は、日常的でありながらとても豊かだと感じます。1回約3分間ですが、立ち上る紅茶の香りとともに、まわりの人や自分を慈しむ時間を持てることを、私は幸せに感じます。
紅茶は日々を彩ってくれるので、多くの方に「おいしい紅茶のいれかた」や、紅茶にまつわる歴史や文化伝えていきたいですね。