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Vol.04
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ティーインストラクター
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Vol.04
その日の気分や時間帯に合わせて
選ぶことが出来るのが紅茶の魅力です
スチュワード麻子さん
日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター(6期)
ロンドンで、紅茶スクールInfuse School of English Tea主宰。
1997年渡英後はロンドンのティーブローカーにてティーテイスティングの研修を経て、自社ブランドInfuse Tea を立ち上げる。
Thames Valley Universityにて英国パティスリー&コンフェクショナリーシェフサーティフィケート取得。
現在はティーコンサルタントとして英国内、日本での紅茶コンサルタント業務も行う。
Q.
紅茶を好きになったきっかけは?
父の最初の海外赴任先が、英国色の強いオーストラリアのメルボルンで、ここで家族全員が紅茶党になりました。買い物帰りに母と初めてのアフタヌーンティーに行ったのもここ。その後航空会社の客室乗務員としてフライトするうちに、お茶は英国でもアメリカでもトルコでもクエートでも中国でもロシアでも飲まれているのに、その種類と飲み方の作法や伝統が全く違うことに興味を持ちました。
英国人の夫の影響では?と思われがちですが、実は夫は若いうちはホットドリンクを全く飲まない人で、私と付き合ってから紅茶を飲むようになったんですよ。彼の家族は元々お茶を沢山のむ典型的英国人ですが。イギリスに住むようになってから、周囲の影響もあってますますお茶を飲む頻度が上がりました。その日の気分や時間帯によって、違うお茶を選んで飲むことができるのがお茶の魅力だと思います。
Q.
日本とイギリスの紅茶文化の違いとして最も印象的だったことは?
イギリスでは昔、紅茶は文化でしたが、1990年代には単に温かい飲み物、という程度の認識になっていました。今でもイギリス人は自分の好きな紅茶、好きな飲み方がはっきりと決まっている人がほとんどです。同じお茶でも緑茶やウーロン茶、ハーバルドリンクは色々試すようですが、紅茶に関しては他人の言うことや報道、広告にはほとんど左右されません。日本では紅茶に対してなんらかの夢やイメージを持っている人が多い気がします。より精神性と結びついているので、あくまでも飲み物、マテリアルとして捉える人が少ないのではないでしょうか。
現在のイギリスでは、お茶が「コノサー・ドリンク」、趣味の飲み物として新たに認識されつつあり、それが消費にも如実に現れています。そういう変化の時にこの国で暮らして、それを体感できるのはとても幸運だと思います。
Q.
どのようなシーンでのTea Timeが好き?
私が一番好きなのは、寒い冬に戸外から戻って、居間の暖炉に火を入れて、その前で家族と飲むティー。子供が小さいうちは、ブランケットにくるまって本を読んでやったりするのがとても楽しかったです。
今は子供たちが寄宿して普段家にいないので、やはり家族揃って飲むお茶が一番美味しいですね。自分たちの部屋でギターを弾いたりコンピューターに向かっている息子たちも、「紅茶が入ったわよ」と言うと必ず階下に下りてきます。
クリケットの試合の途中の「クリケット・ティー」も、応援に来ているほかの家族とお喋りしながらの「交流」としてのティーが楽しみです。イギリスは空気が乾燥しているので、たとえ真夏でも緑のグラウンドを眺めながら熱いお茶をいただくと美味しいのでしょう。
Q.
これから先、やってみたいことは?
3冊目の本を出版したばかりなので、しばらくはイギリスの自分のスクールに専念するタイミングかなと思います。いつもそうなんですが、私はあまり将来へのビジョンとか計画というのがないんです・・・・・。行き当たりばったりというと聞こえが悪いのですが、来たチャンスは有難く受けていくという感じでしょうか。ただ、3冊目を書いている段階で、自分はイギリスの紅茶業界、そこにいる人たちから本当に色々なものを与えてもらっていると改めて実感したので、それを外へ還元していきたいとは思います。色々な人が私に教えてくれたこと、それを知りたいと思う方たちに正しい形で伝えることで、恩を返して行きたい、というような感じですね。そのためには発表の場として、やはり年に数度は日本でお話する機会を作ったり、雑誌などで発信していかれるといいなと思います。イギリス国内でも、紅茶関係の親しい友人たちと、個人的に仲良くしているだけではなくて、そういう人の話を日本人が聞けるような機会を設けて行きたいというのが当座の目標です。
とりあえず2011年は、1月に紅茶研究家のジェーン・ペティグリューさん、ロンドンの紅茶専門店ポストカード・ティーズのオーナーのティム・ドフェイさんと一緒に、U.K.ティーカウンシルのトップ・ロンドン・アフタヌーンティー・アウォードを受賞したザ・ランガムホテルで大きな紅茶のイベントを行う予定です。3月にはジェーンさんと一緒に日本に行く計画もあるので、日本でも英国紅茶文化について、より魅力的なイベントができればと思っています。
Q.
日本での講義活動に加え雑誌への執筆も行い、
2006年「ロンドン とっておきのティープレイスへ 英国紅茶のおいしい誘惑」2009年「英国カントリー とっておきのティープレイスへ」を出版。 2010年10月に「英国スタイルで楽しむ紅茶 ティータイムのある暮らし」発売。(いずれも河出書房新社)
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