Vol.05
べにふうきの華やかな香気と濃厚な味に魅せられました 田中京子さん 薩摩英国館ティーワールド館長 日本紅茶協会認定ティーインストラクター（K10期）
- Q：ティーインストラクターになった理由は？
- 薩摩英国館は今年開館20周年を迎えます。歴史資料館に英国グッズを中心としたミュージアムショップと、ティールームを併設しています。英国紅茶の種類の取り揃えが九州一多いと、九州各地からリピートして下さるお客様が増えてきました。そのため、ティールームと紅茶の仕入れ担当の長女が、ティーインストラクター養成研修への参加を決めたのですが、第2子の妊娠がわかったため長女は研修を断念し、英国に留学している2人の娘（3女、4女）のところに行くたびにティールーム巡りを楽しんでいた私が、ピンチヒッターとして受講し、日本紅茶協会認定ティーインストラクターを目指すこととなったのです。
- Q：英国の“The Great Taste Awards"で4回金賞を受賞されている「夢ふうき」誕生のきっかけを教えてください。
- 自宅から車で１０分くらいの所に、旧農林省茶業試験場枕崎支場（現・独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所）があります。ティーインストラクターに認定されて間もなく、ここで1995年に品種登録されたという「べにふうき」に出会いました。香気・水色・滋味の三拍子揃った素晴らしい紅茶でした。紅茶産業衰退の影響を受け、「幻の紅茶」となっていましたが、何とか商品化したいとあちこちにかけあい、結局は、自分で植えて育てて製造するしかないことがわかり、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ量を増やしてきました。そして、私達の夢をのせて、名も「夢ふうき」とし、当館の店頭に並べました。この品を四女の婿が英国へ持ち帰った後、２００７年GTAに出品、思いがけない金賞を受賞。その後も、2011年まで４回受賞しています。
- Q：これからの夢（紅茶に関わることで）は何ですか？
- “有機無農薬の手摘み紅茶”というのは、労働力という点で大変ですし、植栽する場所も限られますが、安心安全、労働の喜び、自然とのふれあい、薬理効果による健康保持、お茶を飲みながらの仲間との語らいなど、よいことづくめです。ですから、自宅の空き地、休眠地、学校の裏山などに植栽して頂き、多くの方に、製造を楽しみおいしい紅茶を作る為のお手伝いをしていきたいと思っています。
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